
ひとりの「人」として、その人自身であることを証明する印鑑。
人の意志表明を永遠に証明し続ける役目を担う大切な代物です。
大阪北浜で百有余年の永い時をかけて培った技で彫りあげる印鑑は、
生涯、唯一無二の姿をもつ「人」の証であり続けます。
印鑑に刻印するための文字を下書きとして印すことを“字入れ”といいまた、字入れを施したのち、その文字に沿って実際に彫っていく作業を“彫り”といいます。文字の力強い部分は深く、また細い部分は繊細な彫りで微妙な調整をしながら 仕上げられていきます。この作業によって印鑑に命が吹き込まれていくのです。
柳燕堂では、手書きの文字を彫刻ロボットによって正確に彫らせて字入れし、その細部を職人が印刀による手彫りで仕上げを施す「手仕上げ」と、手書きの文字を字入れにはじまり、あら彫りから仕上げにいたるまでのすべての行程を職人の手により彫りあげる「手彫り」の2通りの方法によって製作しています。いずれの作り方においても丹誠込めて彫りを入れ、丁寧に少しづつ印字を仕上げていくことに変わりありません。柳燕堂の印鑑には、一本一本に百有余年の間に培ってきた確かな技と魂が活きているのです。